No.1463 看取りとは~その人らしさを最期まで支援すること~

 人権意識向上委員会では、11月29日(水)に「看取りとは~その人らしさを最期まで支援する~」という研修会を開催しました。
 
 「看取り」とは、本来は「死期まで看病する」という意味ですが、近年、福祉的な観点からも「人生の最期まで尊厳ある生活を支援する」と叫ばれてきました。そして、もっというと世論では、「終末期に延命機器をつけ少しでも生命を維持することは人道的か?」というさまざまな議論がされ、現在では「その人らしい最期を迎えるために医師の指示による疼痛緩和等の対応を適切に行い、自宅や施設で静かに死を迎える」=「看取り」という考え方に代わってきました。そのため、施設での「看取り」は、「ご自身がより望ましい最期の場所を選ぶ」志向の一つとして選択されてきているのです。
 
 ですが、実は「看取り」とは、穏やかに息を引き取る方もいらっしゃれば、急変する方、苦しそうな表情をされる方もおられます。医療機関ではない施設では、医師が常駐していない中で、点滴や注射、薬投与などは安易にできません。それゆえに延命装置を前提としない、自然に任せて寿命を全うする最期というものをご本人様やご家族様と話し合い、どう支援するか考えていかなければなりません。
 
 福祉は、人生のさまざまな側面を支援します。福祉職員はそんな人生の最期に立ち会える誇り高い尊い仕事だと私は考えています。ゆえに専門知識と技術を持って、お一人お一人のその人らしい人生観や死生観を大切にし、「心温まる看取り」に尽力したいと思っています。
(障害支援課長 中村)
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看取り研修の最後は、グループワークで集約した意見の発表タイム。それぞれの看取りに対する想いが伝わってきました
看取り研修の最後は、グループワークで集約した意見の発表タイム。それぞれの看取りに対する想いが伝わってきました
委員が作成した当日のレジュメ。想いが詰まっています
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あっという間に付せんがいっぱいになりました
あっという間に付せんがいっぱいになりました